税務を中心に最近気になった点をできるだけわかりやすくご説明します。

中小企業者等欠損金の繰戻しによる還付について

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この制度については本年(平成24年3月31日)が期限であったため税制改正直後には官報で確かめるなど一般には判断が難しかったためかアクセスが多かった項目です。

既にご存じとは思いますが、この制度は平成26年3月31日までに終了する事業年度まで2年間延長されています。

この制度については、税理士によってはあまり利用したがらない方があるのが残念ですが、嫌がるのは次の条文があるからです。

「税務署長は、前項の還付請求書の提出があつた場合には、その請求の基礎となつた欠損金額その他必要な事項について調査し、その調査したところにより、その請求をした内国法人に対し、その請求に係る金額を限度として法人税を還付し、又は請求の理由がない旨を書面により通知する。」 (法人税法第80条第6項)

ここにある「調査」は、実地調査(税務署員が会社に訪れて何日か掛かるもの)とは必ずしも同じことではありません。

ごく普通に考えてみて下さい。あなたが購入した物品について代金を支払ったのに販売業者から不足があるからといって請求が来たとします。
このときあなたは直ちに不足と言われる代金を支払いますでしょうか?
あなたは間違いなく代金を支払っているはずですから確認して確かに不足していたと認められた時に不足する代金を支払うのが普通ですよね。

還付請求の場合も請求があったら直ちに税務署が請求された金額を返金しないのは当然です。ごく自然に確かに返金する必要があるだろうと確認してから返金するという手順を含めて「調査」と表現しているといるのです。

もちろん申告に不審な点があれば実地調査に移行することもあるでしょう。しかしながら通常に適正申告をされている納税者であれば調査をことさら恐れることはないはずです。

私は、この制度の良い点は単に税金が還付されるので良いというだけに留まらず、例えば今期は業績が良いが来期は業績の悪化が予想されるような場合に、この制度を積極的に利用し、今期の利益を少しでも少なくするために無駄な出費による節税を諮ることをせずに、今期は税金を納付しておいて翌期予想通り業績が悪化した場合にはこの制度を活用して繰戻還付を受け、予想外に業績が良かった場合は予想に反して業績が良かったことを素直に喜べば良いと言うように、いわば保険のように適用することを考慮されると良いと考えています。

なお、欠損金の繰り戻し還付は法人税だけの適用となります。地方税には適用がありません。そのことからこの制度の適用を受けた年以後の繰越欠損金は法人税と地方税では金額が異なる点に留意が必要です。

(参考)
タックスアンサーNo.5763 欠損金の繰戻しによる還付
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5763.htm

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